2007年01月17日

過去問

今年受けるかどうかはわかりませんが、1年ぶりに択一の過去問をしています。
以前に何回はしていたので、問題自体に懐かしさを感じます。
民法だけは本当にいい問題です。社会人としてもためになりますし。
昨日は、人的担保のところで連帯債務、保証債務、連帯保証、保証連帯、共同保証を復習しました。
「自分ならどう契約をする?」と想像しながら勉強すれば、少しは頭に残ります。
実際に銀行から借金もなく、手形さえ見たこともない学生は、すべて空想の世界で勉強しているんでしょうね。いろんな登場人物を出演させながら。
学問はそんなものかもしれません。
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2006年11月24日

親権の効力

民法では親権の効力として820条から833条まで書かれています。
親としては一度は読まれることをおすすめします。
ここでは躾で時折話題になる民法822条を紹介します。

民法第822条1項
「親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。」
民法第822条2項
「子を懲戒場に入れる期間は、六箇月以下の範囲内で、家庭裁判所が定める。ただし、この期間は、親権を行う者の請求によって、いつでも短縮することができる。」
822条は家庭での親の子供への懲戒権を認めています。
またこの懲戒行為は正当行為として、刑法第35条よって違法性も阻却されます。民事、刑事とも罰されないということです。
※刑法第35条
「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」
※ここの「業務」は仕事ではなく、社会生活において反復・継続しておこなわれる行為のことです。
当然、社会的相当性を欠くような体罰は暴行罪なり傷害罪等が成立しますが、
社会的な規範にもとづいた躾としての体罰は、822条の懲戒に含まれると思います。
尚、教育現場では、教育上必要であれば、懲戒を加えることができますが、体罰を加えることはできません。
学校教育法第11条
「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」
懲戒と体罰の違いは、いろんな解釈・意見があるところです。
私が学生時代、授業・サークル中には先生の愛情?ある体罰はありました。教育上の懲戒の限度は、民法822条の懲戒と同じと解釈してもいいのではないでしょうか。先生もそれだけの権利(権利があれば、教育者としての義務がある)がなければ、今時の学生(しかも後楯には強力な保護者がいる)のを相手に教育はできません。
尚、まだ改正されずに残っている民法822条の懲戒場の意味が不明です。将来、少年鑑別所、少年院と違った懲戒場を創設する為に残しているのでしょうか。
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2006年11月22日

語呂合わせ(民法)

普段の会話で条文を使うのはやめましょう。
口喧嘩に使うと嫌な人間になってしまいます。
それ相当の資格をとらなければ、趣味の世界です。

語呂合わせ (民法 第2編 物権)

第1章 総則(第175条〜第179条)
 ※不動産の対抗要件(177条)→「天気予報(177)で土砂崩れに対抗」
第2章 占有権
 第1節 占有権の取得(第180条〜第187条)
 ※占有改定(183条)→「占有改定? イヤミ(183)を言ってるの」
 第2節 占有権の効力(第188条〜第202条)
 ※権利の適法の推定(188条)→「泥棒を信じて、嫌や(188)」
 ※即時取得(192条)→「いくつ(192)動産を取得したの」
 第3節 占有権の消滅(第203条・第204条)
 ※占有権の消滅事由(203条)→「旅順203高地の占有は消滅した」
 第4節 準占有(第205条)
 ※債権の準占有者への弁済(478条)→「品川(478)の在来線に205系が頑張っている」
第3章 所有権
 第1節 所有権の限界
  第1款 所有権の内容及び範囲(第206条〜第208条)
  ※ 所有権の内容(206条)→「多摩市(〒206)の所有権は多摩市」
  第2款 相隣関係(第209条〜第238条)
  ※囲繞地通行権(213条)→「兄さん(213)、通らせて」
 第2節 所有権の取得(第239条〜第248条)
 ※動産の付合(243条)→「付合して強さ(243)アップ」
 cf. 不動産の付合(242条) 混和(245条) 加工(246条)
 第3節 共有(第249条〜第264条)
 ※共有物不分割契約(256条但)→「にごろ(256)は切りがいいが・・・」
第4章 地上権(第265条〜第269条の2)
※地上権の内容(265条)→「地上権は私にむごい(265)」
第5章 永小作権(第270条〜第279条)
※永小作権の内容の内容(270条)→「永小作権で稲穂(270)をつむ」
第6章 地役権(第280条〜第294条)
※地役権の内容(280条)→「通行地役権で庭を(280)通る」
第7章 留置権(第295条〜第302条)
※留置権の内容(295条)→「留置権で肉を(295)渡さない」
第8章 先取特権
 第1節 総則(第303条〜第305条)
 ※先取特権の内容(303条)→「竿を3(303)つ先取する」
 第2節 先取特権の種類
  第1款 一般の先取特権(第306条〜第310条)
  第2款 動産の先取特権(第311条〜第324条)
  第3款 不動産の先取特権(第325条〜第328条)
 第3節 先取特権の順位(第329条〜第332条)
 第4節 先取特権の効力(第333条〜第341条)
第9章 質権
 第1節 総則(第342条〜第351条)
 ※質権の内容(342条)→「質は密室(342)で」
 第2節 動産質(第352条〜第355条)
 第3節 不動産質(第356条〜第361条)
 第4節 権利質(第362条〜第368条)
第10章 抵当権
 第1節 総則(第369条〜第372条
 ※質権の内容(369条)→「弥勒菩薩像(369)は抵当できない」)
 第2節 抵当権の効力(第373条〜第395条)
 第3節 抵当権の消滅(第396条〜第398条)
 第4節 根抵当(第398条の2〜第398条の22)
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2006年11月21日

条文(民事訴訟法)

今覚えておこう 条文(民事訴訟法共同訴訟編)
共同訴訟の要件(38条)
通常共同訴訟(39条)
必要的共同訴訟(40条)
同時審判の申出(41条)
補助参加(42条)
補助参加の訴訟行為(43条)
独立当事者参加(47条)
訴訟脱退(48条)
参加承継(49条51条)の時効中断・期間遵守(49条)
引受承継(50条51条)
共同訴訟参加(52条)
訴訟告知(53条)
※当然承継(124条)
※原則は確定判決の相対効(115条1項)
※語呂合わせは憲法を参照
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定義 (民事訴訟法)

今覚えよう定義 (民事訴訟法 自白のいろいろ)
<自白>
当事者が自己に不利益な事実を認める陳述
<裁判上の自白>
口頭弁論期日または争点整理手続での、相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の陳述
<権利自白>
訴訟物自体は争いつつ、その前提となる先決的な権利・法律関係の存否に関する相手方の主張を認める陳述
<先行自白>
当事者が自ら進んで自己に不利益な事実を陳述し、後に相手方が援用する場合
<制限的自白>
全ての主要事実につき相手方の主張を認めながら、これに関連する別個の事実を防御方法として主張する場合
<擬制自白>
当事者が口頭弁論または準備手続において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなされること
※抗弁
自分が証明責任を負う事実の主張(障害原因事実とか消滅原因事実)
※否認
相手方が証明責任を負う事実を否定し、それによってその事実の証拠調べを必要ならしめる訴訟行為
※理由付否認
相手方の主張を全体として争いながら、主要事実の一部につき一致した陳述をする場合
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条文(民法)

今覚えておこう 条文(民法)
権利能力
○ 自然人:3条
※ 自然人の権利能力は契約によって制限できない。
※ 失踪宣告で相続は開始するが、権利能力は消滅しない。
○ 公益法人:34条
※ 法人は解散しても精算目的の範囲内では権利能力を有する(73条)
○ 胎児の権利能力(1条の3の例外):721条(不法行為による損害賠償請求)・886条(相続)・965条(遺贈)
語呂合せ:「なに〜、母は、黒い」
論点:停止条件説(判例)と解除条件説
※ 胎児は贈与を受けることはできない。
※ 胎児の認知の訴えの代理は認められない(787条)
※ 父は母の承諾を得て胎児を認知できる(783条)
cf. 民事訴訟法28条
「権利能力」→「当事者能力」 「行為能力」→「訴訟能力」
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語呂合わせ(民法)

条文の全体像を把握することは大切です。条文のだいたいの位置をつかむことによって、六法での検索スピードを上げてください。

語呂合わせ (民法 第1編 総則)

第1章 通則(第1条・第2条)
第2章 人
 第1節 権利能力(第3条)→憲法3条(内閣の助言と承認)と一緒に覚える
 第2節 行為能力(第4条〜第21条)
 ※未成年者の法律行為(5条)→憲法5条(摂政)と一緒に覚える
 第3節 住所(第22条〜第24条)
 ※住所(22条)→憲法22条(居住の自由)と一緒に覚える
 第4節 不在者・失踪宣告(第25条〜第32条)
 ※失踪宣告(30条)→憲法30条(納税の義務)と一緒に覚える
 第5節 同時死亡の推定(第32条の2)→憲法32条(裁判を受ける権利)と一緒に覚える
第3章 法人
 第1節 法人の設立(第33条〜第51条)
 ※法人の不法行為(44条)→憲法44条(議員の資格)と一緒に覚える
 第2節 法人の管理(第52条〜第67条)
 ※理事の代理権の制限(54条)→憲法54条(衆議院の解散)と一緒に覚える
 第3節 法人の解散(第68条〜第83条)
 ※法人の解散事由(68条)→憲法68条(国務大臣の任免)と一緒に覚える
 第4節 補則(第84条・第84条の2)
 第5節 罰則(第84条の3)
第4章 物(第85条〜第89条)
 ※ 従物(第86条)→憲法86条(予算の作成)と一緒に覚える
第5章 法律行為
 第1節 総則(第90条〜第92条)
 ※公序良俗(90条)→憲法90条(決算)と一緒に覚える
 第2節 意思表示(第93条〜第98条の2)
 ※心裡留保(93条)→憲法93条(町長・議会)と一緒に覚える
 ※虚偽表示(94条) 錯誤(95条) 詐欺・強迫(96条)も覚える。
 第3節 代理(第99条〜第108条)
 ※ 代理行為の要件・効果(99条) →憲法99条(憲法擁護)と一緒に覚える
 第4節 無効及び取消し(第119条〜第126条)
 ※無効行為の追認(119条)→「いい口(119)だから追認した」
 第5節 条件及び期限(第127条〜第137条)
 ※条件が成就した効果(127条)→「いつに(127)なったら条件が満たされるのか」
第6章 期間の計算(第138条〜第143条)
第7章 時効
 第1節 総則(第144条〜第161条)
 ※時効の中断(147条)→「いいよなぁ(147)、時効が中断になって」
 第2節 取得時効(第162条〜第165条)
 ※所有権の取得時効(162条)→「取得時効は一朗に(162)」
 第3節 消滅時効(第166条〜第174条の2)
 ※消滅時効の進行(166条)→「消滅時効も一朗〜(166)!」
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2006年09月27日

LLCとLLP

制度が変われば経営判断も当然変えなければないことがあります。
経営者はどこでその情報を、正確に早く入手するのか。社員さんは教えてもらえません。弁護士、会計士、税理士等から気楽に質問できる人間関係を構築したり、いろんなセミナーに参加するなどして継続的に自己研鑽をしなければなりません。
ここ1年でも会社法、税制改正、中小企業会計基準の導入の動きといった私たちの環境は大きく変わっています。お互い精進して頑張りましょう。
昨日は組合で会計士さんの講演がありました。講師はまだお若いのですが、話がなかなか上手であり、内容も感銘をうけました。会員も真剣に聞いていました。同業種の仲間も真摯なお付合は大切ですね。

今日は、まぎらわしいLLCとLLPの違いについてまとまてみました。

合同会社(LLC:Limited Liability Company) 
株式会社と同じように出資は、出資額を限度とした責任しか負いません。(有限責任)
違いは、株式会社は出資割合で平等に対して、合同会社は利益の配分や権限が定款などで自由に決定ができ、出資者自ら経営を行います。また取締役や監査役のような機関が法律的に要請されていません。(内部自治原則)
法人税は合同会社が納税します。(法人課税)

有限責任事業組合(LLP:Limited Liability Partenership)
平成17年8月1日施行。従来の株式会社や民法上の組合などの組織よりもより柔軟で事業者の連携が行いやすい事業体系制度が構築できます。
合同会社、民法組合と同じように取締役や監査役は不要であり、損益や権限配分は自由です。
課税関係は、民法組合と同じで構成員に課税(パス・スルー課税)されます。

合同会社と有限事情組合ではどちらが有利か
2者の大きな違いは課税面です。
実際には、法人数社が事業効率を上げる為に、或る部門の連携(生産ラインの統合、資材の協同仕入れ等)で合同会社や有限責任事業組合を設立する場合が多いようです。
その構成員である法人は業績はそれぞれ違いますから、課税関係で構成員課税の有限責任事業組合の方がもめることが少ないでしょう。

今日のことば
経済の語源は「経世済民 (けいせいさいみん) 」
世を治め、民の苦しみを救うこと。
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2006年09月21日

夫婦同居義務

「夫婦は何故一緒に暮らさなければならないのか」
愛があればいいじゃない・・・なんちゃって。病気の時はほんとうに結婚しててよかったと実感します。お互い支えなくちゃ。
ところで、民法752条は、夫婦は同居し、互いに協力し、扶助しなければならないと規定しています。
家事審判規則第19条2項の規定に基づき、夫婦同居を命じた判例は有名です。
でもいくらお上の命令でも、一緒にいるのが嫌で別居しているのだから、強制執行はされないでしょう。
今日の詩
「春寒くして浴を賜う 華清の池 温泉 水滑らかにして凝脂を洗う 侍児(じじ) 扶(たす)け起こすに 嬌として力無し 始めて是れ新たに恩沢を承くる時」(長恨歌第二段より)
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2006年09月19日

不渡付箋

手形が不渡になると銀行で不渡付箋が貼られます。所持人は時効期限内なら裏書人・振出人に遡求することになります。

手形法16条2項
事由ノ何タルヲ問ハズ為替手形ノ占有ヲ失ヒタル者アル場合ニ於テ所持人ガ前項ノ規定ニ依リ其ノ権利ヲ証明スルトキハ手形ヲ返還スル義務ヲ負フコトナシ但シ所持人ガ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ之ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
手形法17条
為替手形ニ依リ請求ヲ受ケタル者ハ振出人其ノ他所持人ノ前者ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ手形ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
手形法20条1項
満期後ノ裏書ハ満期前ノ裏書ト同一ノ効力ヲ有ス但シ支払拒絶証書作成後ノ裏書又ハ支払拒絶証書作成期間経過後ノ裏書ハ指名債権ノ譲渡ノ効力ノミヲ有ス

判例では交換印と不渡附箋が貼られただけでは、手形を第三者に譲渡しても20条1項但書の適用はなく、普通の手形と同じように、取得者は人的抗弁の切断(17条、77条1項1号)、善意取得(16条2項、77条1項1号)の利益を主張することができるとしています。
不渡附箋は銀行の証明行為であって、支払拒絶の事実は疑う余地はないのですが、20条1項但書が適用されるのは、支払拒絶証書作成後または支払拒絶証書作成期間経過後の裏書とはっきりと明記しているからです。
今日の言葉 (某氏の啓発メール)
森信三
いったん決心した以上、必ずやり抜く人間になるということは、人間としてもっとも大事なことですが、この大事なことを身につけるのが、いかに困難かということは、あらたに申すまでもないことです。 「つねにその目的に向かって何かを習慣化する人間になる」ということです。実際問題として、いちばんの心がけとしては、「つねに腰骨を立てている人間になる」結局これ以外にはないと思うのであります。


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2006年09月05日

手形の記載事項

手形の記載事項の第二弾です。前回は「手形要件(必要的記載事項・絶対的記載事項)」について述べました。法定された記載事項で、これを欠くと手形は無効になります。(手形法1条・75条)
今回はその他の手形記載事項
「有益的記載事項(任意的記載事項)」記載すれば内容通りの効果が認められるが記載しなければ効果が生じないもの。
「無益的記載事項」記載しても無視されるもの。
「有害的記載事項」記載されると手形そのものが無効となるもの。
とついて簡単に説明します。
実際の手形取引において、無益的記載事項以外は重要なので、悪用されないように勉強してください。尚、記載文句の適法性の是非にはいろんな解釈があり、実務ではプロの方のご意見をお聞きください。

「有益的記載事項(任意的記載事項)はどのような記載なのか。」
○ 利息文句(手形法5条)
 ※利息文句は、一覧払い及び一覧後定期払いの手形に限って記載ができ、確定日払および日付後定期払の手形は記載しないものとみなされる(手形法5条1項)
 ※利息に利率を記載しないと利息文句自体が無効となる(手形法5条2項)
 ※利息はその起算日を別段定めないときは、手形に記載された振出日から発生する(手形法5条3項)
○ 指図禁止文句(手形法11条2項)
 ※第一裏書欄に「裏書禁止」と書き、かつその末尾に振出人としての署名に用いたのと同一の印章が押捺されてあれば指図禁止手形になる(判例)
 ※指図文句と指図禁止文句が並存している場合、指図文句は無益的記載事項だが、指図禁止文句は有益的記載事項なので優先する(判例)
 ※手形面に印刷された指図文句を抹消している場合は、無益的記載事項の抹消に過ぎなく、有益的記載事項の指図禁止文句にならない(通説)
○ 裏書禁止文句
○ 第三者方払の記載(支払場所の記載)(手形法4条)
 ※支払地内にない支払場所の記載は無効 (通説)
 ※支払提示期間経過後は支払地内の振出人の営業所で支払う (判例)
○ 支払提示期間の伸長短縮(手形法23条2項・34条1項・78条2項)
○ 準拠すべき指定文句(手形法37条4項)
○ 拒絶証書作成免除の文言(手形法46条)
 ※統一手形用紙の裏書欄には「拒絶証書不要」の文句が印刷されている。
○ 戻手形の禁止文句(52条1項)

「無益的記載事項はどのような記載なのか。」
○ 法定事項の反復の記載
 ※ 指図文句(手形法11条1項)、提示文句(手形法38条1項)、引換文句(手形法39条1項)
○ 振出人の肩書地の記載
○ 支払呈示免除の記載
○ 違約金の約束の記載
 ※ 違約金の約束の記載は、手形の流通を害するものとまでは言えず、手形要件を具備している以上、手形自体は有効。しかし輾転流通する手形の性格上、手形の内容は単純明確であることを要し、手形法に規定のない手形上の効力について曖昧な記載は手形取引の安全を害するので、有益的記載事項として手形上の効力までは生じない。違約金の約定は、直接の当事者間における特約としての効力を生じる。(争いあり)
○ 手形要件を欠いている場合でも有効とする旨の特約が記載された場合(万効手形文句の記載)
 ※万効手形の特約は無効。手形要件を欠けば当初から手形が成立しないが、民法上の指図債権としての効力は生じる。裏書人、保証人まで万効手形文句の責任を負わない。(判例)
 ※時効または手形欠缺により手形が失効した場合は、時効利益を放棄することを禁止した民法146条の脱法行為となり指図債権の効力は認められない。(争いあり)

「有害的記載事項はどのような記載なのか。」
○ 分割払の記載・不確定期限付払の記載(手形法33条2項)
○ 手形の支払に条件をつける記載
○ 手形の支払資金を限定する記載
○ 売買の目的物と引換えに支払うべき旨
○ 支払の責任を負わないという旨の免責文句
○ 法定の態様と異なる満期
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2006年08月23日

貨物引換証

「貨物引換証」は、株式、社債、手形、小切手とおなじ有価証券です。有価証券は財産的権利を表章する証券であり、譲渡することもできます。
貨物運送状と違って、貨物引換証そのものに価値がありますので、取り扱いには手形と同様に注意が必要です。
もし紛失でもしたらどうなるでしょうか。
「標準貨物運送約款」の21条では受戻証券性を規定しています。
1、貨物引換証を発行したときは、これと引換えでなければ、貨物の引渡しをしません。
2、貨物引換証の所持人が貨物引換証を喪失したときは、その者が公示催告の申立てをし、かつ、その貨物引換証の正当な権利者であることを示して相当の担保を提供した後でなければ、当店は当該貨物の引渡しをしません。
3、前項の担保は、除権判決の確定後、これを返還します

よくある論点に、荷送人から運送業者が貨物を受け取らずに「貨物引換証」を発行している「空券」の場合と、実際に受け取った貨物と貨物引換証に書かれている品名が違っている「品違い」があります。貨物引換証の要因性(運送契約を重視する立場)と文言性(貨物引換証の記載を重視)との関係をどう解釈するかでいろいろと解釈されています。
判例では、空券の場合、貨物引換証を無効とし要因性を重視しています。品違いでは、検査するのが容易でないとか検査をすることによって価格・品質に影響する場合を除いて、貨物引換証を有効し文言性を重視しています。
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2006年08月11日

特殊支配同族会社

平成18年度税制改正で、中小企業(とくに社長一族)を震撼させる「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」が大きな話題となっています。
昨日参加しました講習会も普段は静かであまり質問がないのですが、今回は凄い熱気と質問の多さに講師の先生はとまどっているようでした。
この制度は「特殊支配同族会社」が業務主宰役員に対して支給する給与のうち、給与所得控除額に相当する金額は損金額に算入されないというものです。
※ 特殊支配同族会社の基準所得金額が800万円(一定の場合には3,000万円)以下である事業年度については適用されません。
聞き慣れない特殊支配同族会社とは、
同族会社の業務主宰役員(通常は社長)とその同族関係者等(社長の親族等)が
発行済株式の総数の90%以上の数の株式を有し、
かつ、常務に従事する役員(要するに名目役員はダメ)の過半数を占めている法人です。
印刷会社で特殊支配同族会社に該当する会社も多いと思います。
同族割合を下げるために役員の数を増やしても、名目の役員は数字にカウントされません。その判定が難しいところですが。
初耳の方は一度税理士さんとご相談ください。
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2006年08月08日

特例有限会社

有限会社を会社法施行後は新たに設立することのできません。設立できるのは、合名会社、合資会社、合同会社、株式会社の4つです。
以前の有限会社は何もしなければ「特例有限会社」となります。定款変更や登記は原則不要です。
※議決権に関する事項(有39条1項但書)、利益の配当(有44条)、残余財産分配(有73条)に別段の定めがある場合は登記が必要。
株式会社に移行するには、(1)定款における株式会社への商号変更、(2)特例有限会社の解散登記および株式会社の設立登記を行う必要があります。
面倒くさがり屋の方は、今までの商号でお仕事をされてきたのだから、株式会社にする必要はないかと思います。
只、株式会社は大幅な機関設計の自由や定款自治が認められるし、「株式譲渡制限会社」にすると株式会社でありながら有限会社に準じた簡易な規制を選択することもできます。
個人的な意見ですが、特例有限会社は例外的存在ですから、後には株式会社の移行を考えられ、特例有限会社にはなく株式会社には義務づけられている「決算公告」の動向を見極めてからも遅くはないかと思います。
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2006年08月07日

現物配当

家族ぐるみのお付合いをしているお得先、協力先、親戚等の会社の株をお持ちの方も多いかと思います。わたしも縁故株を数社持ってますが、配当は年末1度、そこの売筋商品とか、ホテルのおせちとかをいただいております。現金でなくて残念ですが、利益のお裾分けはそれなりに忘れていないようです。

旧商法では、配当は通常の配当と中間配当の年2回でした。(旧商法281条1項4号、293条ノ5)
新会社法では、配当は分配可能額の範囲内であり、純資産が300万円を下回らなければ 回数に制限がありません。(会社法453条、454条1項) そして、株主総会の決議によりいつでも行えることになります。
自社商品等で配当を行う現物配当も株主総会の特別決議があれば認められます。(会社法454条4項)
※ 特別決議とは、総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成が必要です。
普通決議は、総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の過半数の賛成が必要であり、金銭配当の決議は普通決議です。

新会社法では、配当を含めて名目に関係なく、会社財産が株主に払い戻される行為を「剰余金の分配」とし,統一的に財源規制をすることになりました。
とても大切な改革です。分配可能額、取締役の責任等、また時間があれば書きたいと思います。
posted by 金太郎 at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 民事系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月05日

合意管轄

ほとんどのインターネット通販サイトでは、紛争に際して「管轄」のことが書かれています。
「〜の紛争に関してはすべて、○○地方裁判所を管轄裁判所として指定します。」等
これは、もし紛争が発生すれば、北海道、沖縄の人も、わたしの指定する裁判所で裁判します。お嫌なら物を買わないでも結構です。というものです。
もし企業が東京地方裁判所を指定していれば、地方の消費者は、電車・飛行機・船を乗継ぎして東京まで上京しなければなりません。交通費、時間もたまったものでありませね。消費者の泣寝入りでしょうか。

消費者の地方栽培所を指定する方法として、(反対に企業のほうからこちらに出向いてもらう)
(1) この専属的合意管轄そのもののが錯誤(民法95条)であったことを主張する。
(2) 著しい遅滞+不公平さを裁判所に嘆願して裁量移送(民訴17条)してもらう。
※企業のやりかたが不道理と思われたら、公序良俗(民法90条)、信義則(民訴2条)も主張する。
尚、日弁連から、裁判所は、消費者に裁量移送(民訴17条)希望の有無を問いかける書面を、訴状と一緒に添付すべきたという意見書を最高裁に提出したみたいです。

紛争の際には大きなやけどになる前にプロの方にご相談ください。
posted by 金太郎 at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 民事系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月02日

手形要件

社会人であれば当然、手形の取り扱いに注意しなければなりません。
間違っても背広の内ポケットに入れてクリーニングに出さないようにしてください。
(洗濯機がコロコロ音がするので、調べてみると、そこから会社の実印がでてきたという事務員さんもいます)
手形は、流通を図る(取得者を保護する)ために、権利の内容は手形面に記載された文言によってのみ示され、不合理な記載は無効となります。
これを厳格な要式証券性といいますが、手形法75条76条で手形要件を定めています。

<条文>
第75条 約束手形ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
1.証券ノ文言中ニ其ノ証券ノ作成ニ用フル語ヲ以テ記載スル約束手形ナルコトヲ示ス文字
2.一定ノ金額ヲ支払フベキ旨ノ単純ナル約束
3.満期ノ表示
4.支払ヲ為スベキ地ノ表示
5.支払ヲ受ケ又ハ之ヲ受クル者ヲ指図スル者ノ名称
6.手形ヲ振出ス日及地ノ表示
7.手形ヲ振出ス者(振出人)ノ署名
 
第76条 前条ニ掲グル事項ノ何レカヲ欠ク証券ハ約束手形タル効力ヲ有セズ 但シ次ノ数項ニ規定スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
2 満期ノ記載ナキ約束手形ハ之ヲ一覧払ノモノト看做ス
3 振出地ハ特別ノ表示ナキ限リ之ヲ支払地ニシテ且振出人ノ住所地タルモノト看做ス
4 振出地ノ記載ナキ約束手形ハ振出人ノ名称ニ附記シタル地ニ於テ之ヲ振出シタルモノト看做ス

<論点> いろんな解釈があるので、実務・運用の際にはプロの方のご意見がお聞きください。 
○ 金額に「金壱百円と1,000,000円」と記載→手形法6条より文字を優先→手形の流通を確保するため画一的処理(判例)→金壱百円
○ 金額に「1万円と10万円」と記載→明確でなく一定性が有しない→75条2項に反し無効
○ 金額に「1万円か10万円」と記載→明確でなく一定性が有しない→75条2項に反し無効
○ 満期に「平成18年2月29日」と記載→合理的に解釈して有効と考えられる場合は有効→2月末日と合理的に解釈→有効
○ 振出日「平成18年2月末日」満期「平成18年1月31日」と記載→不合理な記載は手形取引の安全を害する→75条3項に反し無効
※確定日付払いの手形は満期が重要あり、振出日はあまり意味がないので有効という解釈もあり。
○ 支払地に「東京都新宿区西新宿○-○-○」と記載→支払地は最小独立行政区と解する→「東京都新宿区」のみに記載の効力を認める
○ 支払地に「東京都神宿区」と記載→明確性の要請→75条4項に反し無効
○ 支払地に「東京都新宿区」と「東京都千代田区」と記載→重畳的記載は一応明確に定まっている(金はダメ)→有効
○ 振出人に「日本太郎」との記名はあるが、捺印がない場合→署名の代わりは記名捺印(82条)が必要→画一的処理の要請から無効
※所持人を保護し手形の流通を図る→ 捺印がなくとも振出名義人が振出せば有効という解釈あり。
○ 振出人に「日本太郎」との記名と拇印が押されている場合→拇印は捺印も同様と解釈→有効
posted by 金太郎 at 07:37| Comment(0) | TrackBack(1) | 民事系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月27日

決算公告義務

上場企業だけでなく、中小企業でも決算公告義務があります。商法283条に規定されている決算公告義務は、中小企業のほとんどが実施していませんでした。
新会社法は、削除されるところか440条に受継がれ、人材不足なら会計参与でも雇って決算公告を実施しなさいと強気です。(特例有限会社は決算公告義務がありませんが、株式譲渡制限会社は義務づけられています。)
ホームページのアドレスを登記していれば、官報、日刊新聞紙でなくてもインターネットでも開示できます。でも貸借対照表を5年間は公開しなければいけません。
日刊新聞紙ですが、東京の企業が、沖縄の新聞に載せたりする裏技もあるそうですが、やり方に疑問ですね。
公告を怠り又は不正の公告をした場合には、行政罰として100万円以下の過料(会社法976条)となります。
数字は嘘をつきません。信用・資金調達・求人等といった企業評価に大きな影響を与え、ますます2極化がすすむでしょう。
公表できる恥ずかしくない数字を確保する為、日々修錬をつみましょう。
posted by 金太郎 at 07:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 民事系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月26日

少人数私募債

株券、社債の印刷を得意とされている印刷屋さんは、品質管理はシッカリさています。
※お札(日本銀行券)を刷っている国立印刷局(もと財務省印刷局、大蔵省印刷局)は、品質とも日本一の印刷屋さんです。

株式会社は、株券不発行を定款で定めなければ、株券を発行しなけらばなりませんでしたが、
今回の新会社法では、株券が原則不発行になります。
定款に株券発行の定めがない場合には、株券は発行しなくてもいいようになりました。
発行コストの削減。またひとつ印刷屋の需要がなくなりそうです。(以前から株券を発行している会社はほとんどありませんでしたが)
ところで、お上は、資金調達の手段として、株式会社のみならず、合名会社、合資会社、合同会社(LLC)、特例有限会社も社債を発行することができるようになりました。
実際には、銀行抜きで株式会社が無担保で資金を調達できる「少人数私募債」を活用することなると思います。
なお、少人数私募債(縁故債)を発行するには、
(1) 社債権者が50名未満の特別縁故者(プロの投資家はダメ)
(2) 社債募集総額が1億円未満
(3) 社債総額を最低券面額で除した数が50未満(例えば、最低券面額が100万円の場合には社債総額が5,000万円未満)
などの要件を満たすことが必要です。
また、メリットとしては、
(1) 銀行からの借入と違って、金利が後払いでもいいので実質金利が低下。
(2) 公募債と違って、証券取引法上の届出をしなくてもいい。
(3) 償還期間が3〜5年が一般的で比較的長期。
などです。詳しくは、プロの方にご相談ください。
機械好きの印刷屋さんには、いい制度だと思います。尚、社員さんの待遇面の向上もお忘れなく。
posted by 金太郎 at 07:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 民事系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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